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多くの山々と川に恵まれながら「北海道第二の都市」と呼ばれている北海道旭川市は、大雪山系を東に望み大雪山の雪解け水が豊富に流れる石狩川があり、その自然の豊かさは四季を通して感じることが出来ます。また昼と夜の温度差が大きい盆地特有の気候のため、夏は30℃を超える暑い日や、冬は氷点下30℃以下になる寒い日もありますが、厳しい自然条件を克服しこの地に稲作を根付かせた先人たちの力により、現在では水稲の収穫量は全道1位となっています。
冬が長く夏が短い北海道には、「ほしのゆめ」「きらら」「ななつぼし」「彩」「おぼろづき」などのお米があります。平均的に夏でも涼しい寒冷地のため、本州と比較すると虫がつきにくく、使用する農薬の量も少なくすんでいます。 |

◆「コシヒカリ」に近い評価が得られている北海道米「おぼろづき」
「おぼろづき」には、米が実る時期の気温が低いとアミロースの割合が多くなる特徴があります。北海道のお米は本州以南に比べて「粘り」が弱いという欠点がありましたが、低アミロース品種が育成され、主にブレンド用として用いられています。「おぼろづき」は、低アミロース遺伝子の働きによって、アミロース含量がこれまでの北海道のうるち米と、低アミロース米の中間程度にあたる約14%となり、粘りすぎず、また従来の低アミロース品種に比べて米の白濁やモチ臭も少ないことから、単品利用に適しております。そして、食味試験では「コシヒカリ」に近い評価が得られています。
(
北海道農業研究センター参照)
◆おぼろづきのアミロース含量について
北農研産「ほしのゆめ」を基準(0)として良い方をプラス、悪い方をマイナスとして、-3〜+3の7段階で評価しています。「おぼろづき」は5点、新潟魚沼産「コシヒカリ(市販)」は3点の平均値になります。
旭川の気候と天気
月/度 |
平均(度) |
最高気温平均(度) |
最低気温平均(度) |
降水量(mm) |
1月 |
-7.8 |
-4 |
-12.6 |
74.1 |
2月 |
-7.2 |
-2.7 |
-12.6 |
51.5 |
3月 |
-2.4 |
-2.1 |
-7.5 |
54.1 |
4月 |
5.2 |
10.5 |
0.1 |
55.8 |
5月 |
11.7 |
17.8 |
5.8 |
65.4 |
6月 |
16.5 |
22.4 |
11.3 |
63.8 |
7月 |
20.5 |
26 |
16 |
98.9 |
8月 |
21.1 |
26.3 |
16.7 |
137.5 |
9月 |
15.6 |
21.2 |
10.9 |
135.8 |
10月 |
8.8 |
14.2 |
4 |
117.6 |
11月 |
2.0 |
5.8 |
-1.6 |
120.8 |
12月 |
-4.1 |
-0.8 |
-7.9 |
98.9 |
年平均 |
6.7 |
11.6 |
1.9 |
1,074.2 |
旭川の農業について
寒冷地の稲作である旭川の農業は、水田にお湯を注ぐなどの努力の結果によって耐寒品種「赤毛」の栽培に成功し、数年後には立派な種もみをつけるまでになっていきました。初めての実収はわずかばかりの把(たば)でしたが、やがて種もみは上川の農家にも配布されていき、上川百万石の礎となりました。
そして稲作の品種改良に平行して進められた石狩川流域の土地改良によって農耕に適する土地造りが始まり、大規模な開発・造田が進められていきました。当時の農民は遠くはなれた山間地域から腐食土を運び入れ、人々は冬も毎日、馬ソリに土を載せ日に何十回も遠い道のりを往復する寒さと飢えに耐えながらの重労働でした。そんな寒冷地の米作りは、地を切り拓きながら自然と共に生き続けた農家の人々の姿を垣間見ることができます。
北海道のお米づくりスケジュール

※天候などの状況より、作業時期が前後する場合があります。